フランス革命についての省察〈上〉 (岩波文庫)



フランス革命についての省察〈上〉 (岩波文庫)
フランス革命についての省察〈上〉 (岩波文庫)

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名著、しかしこの訳本は…

訳のひどさは他のカスタマーの方々のいうとおりです。上巻を買って読み始めた時、しまったと思いましたが、不揃いになるのがいやだったので、他の訳本ではなく、岩波文庫で上下巻とも、一応読みました。

原著は名著であることには変わりなく、内容に関しては星は5つ。商品としては1つ、ということで3つをつけました。

よく、フランス革命は「自由、平等、博愛」をスローガンにしたとか何とか、持ち上げられています。しかし、それは、あのような革命でなければ、達成できなかったか、というと、それは違うだろうと、バークはいいます。この世に完全な君主、政治体制はありえず、フランス王国も欠点は当然あったわけですが、その君主制の中で漸進的に改良をしていくことは可能でした。貴族層も、教会も、同様で、全否定されるほどひどいものではなかったのでした。にも、かかわらず、それらを全否定した国民議会は、他にその権力を抑制するものがおらず、独裁制を推し進めていったわけです。
バークの分析と予想は適確で、納得できるものです。

ローラン・ディスポ『テロル機械』(現代思潮新社、2002)によれば、「テロリズム」という語は、「フランス革命において作られた言葉であり、そこで生じた新たな事態を形容する必要があったからである」ということです。まさに、フランス革命の国民議会は、テロリスト集団であったのです。
買うべからず

 私は今アメリカの大学院で政治学を勉強していますが、「フランス革命についての省察」(原書)が政治理論の授業のテキストになっているため、参考のためにその翻訳の本書を購入しました。

 しかし、読んでみて、その訳のひどさにびっくり。完全な直訳で、読んでいていらいらするし、一体何を言いたいのかさっぱり分からないこともあります。これなら、原書をそのまま読んだほうがまだましと、もう読むのをやめました。

 翻訳能力だけでなく、巻末の訳者の解説を読んでも、「え?」という文章が多いです。例えば、「もとよりわが国でも学術研究の世界では、過去長年にわたって、わが主人公についての極めて不人気で割りの合わない専門的業績が地道かつ着実に続けられてきた。」などなど。(これは下手な翻訳ではなく、本人の書いたオリジナルな文章です。)

 翻訳能力云々の前に、この訳者の日本語能力に問題があると思います。やむをえず、みすず書房の翻訳の「フランス革命の省察」をあらためて注文しましたが、岩波と訳者には私の時間とお金を返して欲しいです。
名著だが訳がひどすぎる。

いわずと知れた保守主義の古典であり、内容自体は秀逸。
保守思想の源流といってよいだろう。
現代における進歩主義批判も、バークの枠を一歩も出ていない。

しかし、岩波はこれほどひどい訳にも金を払うというのか?
それともあえてそうするように指示したのか?
いくら岩波の社論にあわないからといって、もう少しプロ意識を持っていただきたかった。

そういうわけで、みすずから出ているほうをお勧めいたします。
歴史的資料として

とても悲しい事実ですが、出版社の意図的な悪意がなければけして世に出ることはない悪文に翻訳されています。
きっと後世において現代日本の思想的偏向性を研究する上で貴重な歴史的資料(証拠)になると思います。
このような本が一流と呼べる出版社から出てくるのが現代の日本です。
誰かがこの問題の本質について調査や研究を行うことを切に祈りたいと思います。

また、バークについて知りたい方は、中川八洋氏の本を私はお勧めします。「保守主義の哲学」の中でこの本についても言及されていますので参考になると思います。
騎士道を任侠と訳す岩波文庫

岩波文庫の「フランス革命の省察」の悪訳さは凄い。凄すぎる。
単に読みづらいというのではなく、明らかにバークを貶めようとする意図が
あると感じざるを得ない。
例えば、おそらくは原文は騎士道(chivalrous)のはずの個所(頻出する)
を全て任侠と訳している。

これではバークをやくざのイメージで貶めようとする意図が見え見えではないか。ちなみに、任侠に該当するような言葉は英語にはない。
これが意図的でなくてなんなのだろうか。



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